取り返しのつかない孤独

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Love Piece Club : L.P.C.WEEKLY 北原みのりコラム。

 皇太子・浩宮さんが何だか「いい人」に見えてきそうで、やっぱり男って美味しいなと思う。そもそもの発端はあんたじゃないか、とテレビの前で吠えてはみるが複雑な気持ちの皇太子の記者会見。
 
(中略)
 
 じゃぁ、今回、皇太子の「批判」は何に向いているのだろう。雅子さん絡みの「二度目」の抗議。皇太子は「(皇室に入る前までの)雅子のキャリアや、そのことに基づいた雅子の人格を否定するような動きがあったことも事実です。」と語り、やんわりと「誰か」を批判している。
 
ここは「特定の誰か」というよりも、「雅子さん=女=嫁」の最大の役割を「男子産み」であるとし、雅子さんが望んだ「外交」の仕事を「させなかった力」への批判と聞くのが自然でしょ。そうであれば、その批判は皇室の体質そのものへ向いているわけだし、そもそもの「伝統的な家族観」そのものへの批判に聞こえてきちゃうじゃないの。
 
そんなことを十二分に分かって発言されているのだろうから、なおのこと皇太子という人が分からなくなっちゃうというものだ。
 
(中略)
  
その雅子さんの鬱病。そして、皇太子の攪乱。雅子さんには「皇太子」という、自分を皇室に引き入れた「そもそも」の人物だけが味方なのだろうか。なんという孤独だろう。「自由」を失うことの恐怖をそもそも持たない立場の人と、取り返しのつかない孤独に陥った人との間にある力の格差が歴然と見える夫婦。皇太子がいい人に見えちゃうカラクリだけが、何か不可思議で仕方ない。